2010年3月24日水曜日

薪の調達と家が開くこと

急なお知らせにも関わらず、河段の家でのペチカ公開と薪置き場づくりの日は天気にも恵まれ、無事過ごせました。
実のところは薪ストーブが要らない位に暖かな日で、ペチカのレンガに蓄熱された余熱で十分でした。こういった企画はもっと厳しい寒さの時期にした方がより楽しめそうですね。次のシーズンにも考えてみたいと思います。

薪置き場は本体工事の付帯ではあるのですが、諸事情により基礎と木材のプレカット以外は素人のホビー。思わぬ大工仕事ワークショップとなりました。
(薪置き場はまだ完成していませんので、継続中)
ほぼこの置き場をいっぱいにして1シーズン分の薪250束分の計算です。多いようにも思えますが、主暖房の薪ストーブ用としてはかなり少ない方。これも蓄熱体(ペチカ)との組み合わせがあるからこそ。
バイオマス利用、CO2削減、脱石油として流行りつつある薪ストーブですが、実際所有すると薪集めに奔走する労力だけでも負担になりかねません。火を焚く愉しみもありますが、限られた資源は効率良く使いたいものです。

実際アフターフォローとして、薪ストーブを導入したクライアントさんの為に山で薪を生産している団体とのマッチングもしています。直接丸太を購入したり、あるは協働で薪作りをした方が費用も安く済むし、なにより山そのものを体感できる。実際の山林の状況を知った上で、日々の温もりの火を愛でることができるのです。こんな学びの機会は得ようと思っても得られるものではありません。

街と森をつなぐ有効な装置として、薪ストーブはもっと着目さていくでしょうし、針葉樹の間伐材も使えるストーブの改良が待たれます。

ペチカもオンドルも共通に言えますが、技術万能のものではなくローテクで設計としては不便な設備ですが、消費エネルギーを抑え蓄熱して有効に使おうとすると、自然に家はワンルームの様にオープンな設計になっていきます。家内部に留まらず、薪調達という必然性が家と地域をつなぎ、内外にオープンな「家を開く」仕組みになる可能性に設計者として魅力を感じざるを得ません。

0 件のコメント:

コメントを投稿