2008年5月14日水曜日

かつて歩いた道


 「四川大地震」の震源地のエリアは、15年前にチベットまでの道程で通ったことがある地域です。成都→松藩→夏河と崖やパンクや土砂崩れと厳しい道のりでしたが、中流域から2000mの草原地帯へと劇的に変化する風景に目を奪われた旅でもありました。
 15年前といえば変革激しい中国においては大昔。特に成都など大都市の変わりように自分の記憶を重ねることは不可能です。
 しかし古いフィルムを引っ張り出して見てみれば、遠い町角からにこやかに話しかけてくる現地の人々の笑顔や土の匂いが呼び覚まされます。

 この古ぼけたフィルムが、願わくば隣人としての想像力を喚起する一助となりますように。


[写真上]松藩市内のマーケット風景。連なった長屋が等しく傾いている。地震によるものか、欠陥によるものかは不明。
[写真下]長距離バス移動の途中、道路が川に流されていて徒歩で崖下を渡った。人物は現地の旅人。