塗装業・太宰辰男さん(昭和12年生まれ)はこの道50年を超す大ベテラン。
太平洋を臨む宮城県七ヶ浜町の船大工の家に生まれた太宰さんは、若い頃から木造船や港湾の塗装の仕事で腕を磨いてきました。
特に第二管区海上保安本部から請け負った灯台の塗り替え工事は、高所にブランコの様に吊り下がってする孤独で危険な作業でした。若かりし20代の太宰さんは簡単な道具と材料を担いで、海岸線沿いに各地の岬を転々と渡り歩いたそうです。
その仕事で会得したのが、この現地で調達して調合して塗装できる「灯台仕上げ」です。
岬の潮風や高波に耐えることができたこの丈夫な技術は、太宰美装さんとの共同での試行錯誤を経て、漆喰に匹敵する塗装として蘇りました。様々な素材で手作りのハケも再現していただきました。ハケ引きのほか、コテ・ローラー・吹き付けなどで様々な表情を作ることができます。
材料は宮城県産の石灰石と天然素材を使い、安全で、殺菌効果があります。
かつての灯台はミゴ箒という丈夫なハケで塗った荒々しい肌合いの仕上げだったそうです。それはまるで地中海沿岸沿いに点在する村々の白い壁を連想させます。
この技術、もしかしたら世界の海を旅した異国の船乗り達が伝えたものかもしれませんね。
今までも港町の喫茶店「ダイヤモンドヘッド女川」の内装の仕上げに施したり、
住宅の和室に吹き付けて塗ったり、
完成記念に庭の土を混ぜて、みんなでワイワイと塗ったりと自由自在。
灯台という厳しい条件で育まれ、宮城県の地元の材料を使った「灯台しっくい」は販売、およびご自分で塗りたい方への出張指導もできます。(遠方の場合は別途交通費、また養生や調合は別途費用が必要です。)
灯台しっくいペイント
内部用 10,000円~/缶 ※一斗缶(16リットル)
外部用 11,000円~/缶
施工可能面積は10~12m2(1缶あたり)
※親子2代で営まれている小さなお店なので基本受注生産です。事前にお問い合わせください。
※性能保証はありません。別途現場調合が必要な場合があります。
詳しくは海建築事務所(to_sea_office@ybb.ne.jp)にメールでお問い合わせ下さい。(@を半角に変更してください。)